99年9月  JEIDA駐在員・・・長谷川英一

米国におけるブロードバンドの進展 -4-


(4)オープンアクセスに係る議会の動き

議会の動きにも少し触れておかなければならないだろう。この問題に係る法案としては、現在以下のようなものが出されている。いずれも、強力なロビーイングを受けてか、ILEC側に立ったもので、ILECのブロードバンドに係るオープンアクセス義務を免除するか、あるいは逆にケーブルにもオープンアクセスを義務付けるかして、いずれにしてもイコール・フッティングに導こうとしているものである。マッケイン上院議員などの法案を見ると、FCCに対する苛立ちと言うようなものさえ感じられる。これらの法案はたとえ通らないとしても、FCCには相当の圧力として働いているであろうことは間違いないようである。

@S.877「Broadband Internet Regulatory relief Act of 1999」サム・ブラウンバック議員(共和党、カンサス)4/26提出、商業委員会付託
(ILECが高速サービスを提供している地域で、ローカルループの70%がDSLを提供できる場合、ILECは高速サービスのアンバンドリング条件を免除される)

AH.R.1686「Internet Freedom Act」ボブ・グッドラッテ議員(共和党、バージニア)5/5提出、商業委員会及び司法委員会付託、5/25商業委通信・貿易・消費者保護小委員会付託、6/30司法委公聴会
(ILECがブロードバンド・サービス市場で支配力を持っている場合、ローカルループのアンバンドルを拒むことは反トラスト法違反であると同様に、ブロードバンド・アクセス・トランスポート・プロバイダー(明示していないがケーブルのこと)もサービス・プロバイダーのアクセスを拒んではならない)

BS.1043「Internet Regulatory Freedom Act of 1999」ジョン・マッケイン議員(共和党、アリゾナ)5/13提出、商業委員会付託
(高速サービス・プロバイダーについては、設備のアンバンドリングや卸売価格での再販を義務としない)

CS.1125「Telecommunications Merger Review Act of 1999」ジョン・マッケイン議員5/26提出、商業委員会付託
(通信会社の合併の審査に当たって、司法省と連邦取引委員会が認めた部分について、FCCが条件を付してはならない)

DH.CON.RES.173「FCCが、ケーブル・システム上のインターネット・アクセスを可能とするブロードバンド設備の非排他的開放をサービス・プロバイダーに命じるよう求める共同決議」エドワード・マーキー議員(民主党、マサチューセッツ)8/5提出、商業委員会付託

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